子ども達が「山へ逃げよう」と強く訴えていたにもかかわらず、教職員より校庭に待機するよう命じられたため、これに抗えない児童らが自ら避難することすらできなかったものであり、本件事案は「先生がいなければ」あるいは「学校にいなければ」児童は津波で命を落とすことはなかった筈である。
保護者も、津波が到来した当日、大川小学校から児童が帰宅できない(あるいは引き取れない)状況ではあっても、子ども達は大川小学校の教職員らによって同小学校の裏山など安全な場所に避難していると信じて疑わなかった位であり、その後、時間が経過するごとに津波により大川小学校の子ども達をおそった悲劇の実際が判明するにつれ、保護者が受けたショックと悲しみは言葉で言い表せない。
これらの事情は、本件地震発生後から津波に呑み込まれていくまでに子ども達が受けた精神的苦痛及びその保護者が受けた精神的苦痛の慰藉においては、看過できないきわめて重要な事情であります。
以上から、通常の損害賠償論による損害額では到底納得できず、これらに加え、津波到来の前後にわたり、余りに過失の度合いが著しい加害行為をしてきた石巻市・宮城県に対し、いわゆる責任の処罰及び賠償金を求める。